産後のダイエット
こちらのページは、これから産後骨盤ケアを受けよう、現在産後骨盤ケア中のママ向けのぺージです。産後のお悩みが少しでも解消できればと思いますので、ぜひお読みください。
1. 産後ダイエットはいつから始めるの?

産後ダイエットは始めるタイミングが大切です。早すぎても遅すぎてもよくありません。
身体の負担を減らし、一番効果が出やすいベストなタイミングを解説します。
【産褥期(さんじょくき)は避けよう!!】
「産褥期(さんじょくき)」とは、妊娠中に起こった体の生理的な変化が、産後6~8週間かけて妊娠前に戻っていく期間のことです。この時期に激しい運動や過度な食事制限をするのはおすすめできません。
出産によりダメージを受けた骨盤底筋群や腹筋群、骨盤を支える靭帯や骨に負担がかかるからです。
全治1〜2ヶ月の交通事故に例えられるくらい、妊娠・出産は大きなダメージなのです。
そんな母体を回復させるための大切な期間が産褥期です。退院後も2週間くらいは家族のサポートを受けながら体をしっかり休めましょう。
産後ダイエットは産後2か月頃から
産後2ヶ月くらいから6か月~8か月くらいまでの期間を「ボディーリターン期」といいます。これは、身体が自然に妊娠前の体へ戻ろうとする期間です。
ボディーリターン期は、体が妊娠中に蓄えた水分や脂肪を落として妊娠前の身体の状態に戻ろうとする働きが強くなると言われています。
これらの理由により、産後に骨盤矯正を行うとダイエットの効果が現れやすくなるのです。
厚生労働省は、産後6ヶ月を目標に、標準体重を「身長(m)×身長(m)×20㎏」に近づけることをすすめています。
6ヶ月を過ぎたころには月経が再開し、女性らしい体つきと妊娠の準備を促す役割のエストロゲンという女性ホルモンが出始めます。エストロゲンによって脂肪が蓄積しやすくなるため、6ヶ月経つ前にダイエットを始めることが成功のカギです。
産後の脂肪は「流動脂肪」と呼ばれ、水分が多くサラサラとして燃焼しやすい性質があり、通常の脂肪よりも落としやすいといわれます。しかし、落とせなかった流動脂肪は徐々に硬くなり、最終的にはセルライトへ変化するため、早めに落としておくことをおすすめします。
【帝王切開後の場合は身体の状態を見て判断】
帝王切開の後は、まずお腹の傷口を回復させることが一番大切です。無理をすると傷口に細菌が入り込む可能性もあるため、少なくとも1ヶ月間は安静第一で過ごしましょう。
腹筋などの筋トレや運動は、傷口が完治してからです。最初は産褥体操などの軽い運動からはじめましょう。
2. 産後に中々痩せないママの特徴
産後に友達はすごい痩せたのに、私は全然痩せない!なんてことにならないように、中々痩せないママの特徴を見ていきましょう。
① 骨盤の歪みママ

よく「産後に骨盤矯正すると痩せる」と言われていますが、骨盤矯正をすると痩せやすくなるのはなぜなのでしょうか?
骨盤が歪むと内臓が下がり代謝が落ちたり、血液・リンパの流れが悪くなり浮腫みが起きてしまいます。骨盤矯正により、内臓が正しい位置に戻ったり、歪みで上手く使えていなかった筋肉が使えるようになった結果、代謝が良くなってサイズダウンしたり痩せるケースが多いです。また、産後の骨盤や股関節の開きが解消されることでボディラインが美しくなるといったケースもございます。
いずれにしても産後ダイエットは骨盤が歪んだまま、がむしゃらにダイエットをするよりかは痩せやすくなるので効率の良いダイエットができると言えます。
② 暴飲暴食ママ

ダイエットの基本は、消費カロリー>摂取カロリーです。せっかく骨盤矯正や運動をしていても、暴飲暴食で摂取カロリーが多いと水の泡です。
普段の食事では
・揚げ物を避ける
・ごはんの量を減らす
・おやつの見直し
・外食の際は、カロリー表示を意識
に気をつけましょう。
③ 過去ダイエット遍歴があるママ

毎回のように食べて太って、食べないで痩せてを繰り返し、ダイエットをなにかの儀式のようにしている女性が一定数いますが、これは本当に危険なことです。
過度な食事制限(食べないダイエット)のダイエットでは、脂肪が落ちているわけではなく、痩せるたびに筋肉を落とし続け、リバウンドをするたびに脂肪を蓄積していきます。これが痩せにくい体質を作っている原因で、サルコペニア肥満と言います。サルコペニア肥満は、筋肉量が正常よりも低下している状態かつ肥満状態にある人を指し、通常の肥満の人より痩せにくいのはもちろん、心臓病・脳卒中・糖尿病などの病気の発症リスクを高めてしまう特徴があります。
妊娠前から食事制限を中心としたダイエットを繰り返してきた人の場合は、必ずといっていいほど筋肉量は低下しています。産後はまず、極端な食事制限はやめて、これまで失われきた筋肉をトレーニングで補っていきましょう。
④ ストレスと睡眠不足ママ

睡眠不足やストレスはダイエットの大敵です。出産直後の母乳育児は、しばらくは欲しがるときに欲しがるだけ飲ませる自律授乳が基本となるため、授乳は頻回になり、ママはまとまった睡眠がとりづらくなります。睡眠不足とストレスは、グレリン(食欲増進ホルモン)が増えて食欲増進したり、コルチゾール(ストレスホルモン)が増えて血糖値が上がり、痩せにくくなることがわかっています。
⑤ 家の中に引きこもりがちママ

普段から赤ちゃんとお家に引きこもりのママは注意です。家の中でどんなに家事で動いても、運動に換算すると微々たるものです。外へ赤ちゃんとお散歩にお出掛けしてみたり、ショッピングモールの中を探索してみるなど、できる限り身体を動かすように心掛けましょう。
睡眠、ストレスと産後ダイエットの関係

産後ダイエットの成功には、「十分な睡眠」と「ストレスを溜めないこと」が必要不可欠です。
しっかり睡眠がとれていたり、ストレスフリーな生活は、余分な脂肪の燃焼、筋肉を育てて代謝UP、内臓の健康維持など、身体にとってプラスなことがたくさんあります。
睡眠不足に陥ると、脂肪細胞から分泌される「食欲を抑えるホルモン(レプチン)」が減り、胃壁細胞から分泌される「食欲を高めるホルモン(グレリン)」が増加します。この結果、食欲が増してダイエットがしづらくなるのです。
ストレスを溜め込みがちな方は注意が必要です。人はストレスにさらされると、副腎皮質からストレスホルモンと呼ばれるコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌が増えてしまいます。コルチゾールの分泌が増えてと、血糖値が上がりやすくなり、脂肪の溜め込みを促し、痩せにくくなることがわかっています。
産後は赤ちゃんの夜泣きや授乳の影響で睡眠が細切れになり、慢性的な睡眠不足の状態になってしまいがちです。
そんな中で少しでも睡眠を確保するためにおすすめなのが、やらないことを決めてしまうことです。
例えば、家のことは家族の協力をあおいだり、家事代行サービスを利用してみたりする。簡単な食事で済ませるなど。
なるべくやらない工夫をして、睡眠時間を増やしてください。赤ちゃんの健康さえ守れれば、後は完璧にできなくても、周りに頼っても良いのです。
ダイエットのためだけでなく、ママの健康のためにもできるだけ睡眠不足を解消しましょう。
3. 産後ダイエットにおすすめエクササイズ

YouTubeを見ながらエクササイズ
産後しばらくの期間は産後ダイエットのゴールデンタイムです。この期間に運動を取り入れることで、元の体型を取り戻しやすくなります。
なるべく起き上がったり、深呼吸、脚の曲げ伸ばし、軽い腹筋運動を行ったりすることで、子宮や筋肉、臓器などの回復を助けることにも繋がります。
トレーニングやエクササイズを始める時は、色んなインストラクターがさまざまな動画を配信しているYouTubeがおすすめです。自己流のトレーニングは回数×セット数がまちまちになってしまったり、トレーニングフォームがバラバラで運動効果が低くなりがちです。動画をみながら、正しい方法で取り組むといいでしょう。
ダイエットに効果的な産後のトレーニングやエクササイズですが、出産後の状況によってはできない場合もあります。特に以下の方は、運動制限の可能性があるので注意してください。
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産後1ヶ月未満の方
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帝王切開で出産された方
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恥骨痛、会陰部痛がある方
自宅で簡単トレーニング(無酸素運動)
無酸素運動とは、短時間に大きな力を発揮する運動のことです。無酸素運動に分類される運動には、短距離のダッシュやウエイトリフティング、腕立てやスクワットの筋トレなどがあります。筋肉をつけていく上では、ウォーキングなどの有酸素運動より効果に期待ができ、基礎代謝アップで痩せやすく太りにくくなります。
効率よく基礎代謝をアップするためには、ふとももや胸、背中などの大きい筋肉から鍛えていくことがおすすめです。
まとめ
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たるんだお腹をひきしめ、体重や体形を妊娠前の状態に戻すことは、美容だけではなく予防医学の観点においてもとても素晴らしいことですが、何よりも大切なことは心身ともに健康であることです。必死で痩せなきゃ痩せなきゃと思えば思うほどストレスが溜まり、逆効果になってしまうこともあります。
産後は、生まれてきた可愛い赤ちゃんの誕生に感謝したり、家庭をもつ喜びを感じたり、一緒に楽しく遊んだりするためには、ママが心身共に健康でなくてはなりません。
また、メンタルが落ち込み、やつれた状態のママさんでは、赤ちゃんにも悪い影響を及ぼしかねません。
まずは健康になることを第一に考え、その上で「かっこいいママさん」や「きれい・かわいい奥様」を目指してみてはいかがでしょうか。
ご自身の生活と体調を整えるという視点で「無理のないダイエット」を意識しましょう。