産後の気になる食事
こちらのページは、これから産後骨盤ケアを受けよう、現在産後骨盤ケア中のママ向けのぺージです。産後のお悩みが少しでも解消できればと思いますので、ぜひお読みください。
産後すぐに体重を減らしたい、ボディラインを綺麗にしたいという気持ちは分かりますが、まずは土台となる健康な体をつくることから始めなければなりません。
産後の効果的な食事方法について、それぞれ見ていきましょう。
01. 栄養バランスに気をつける

産後の体は骨密度が低く、血液もたくさん失った状態にあります。
体力が落ち、いろいろな所が傷んでボロボロになっていますので、それらを修復・回復するためにもしっかりと食べて、バランスよく栄養を摂取する必要があります。
また、授乳によって赤ちゃんに届ける栄養も必要になりますので、普段よりも気をつけて栄養をとるべきでしょう。
赤ちゃんに与える母乳は血液が主な材料になりますので、その元となる「葉酸・鉄分・カルシウム・ビタミンC」、ママの身体のもとになる「たんぱく質」といった栄養素は、特に不足しないように意識しましょう。
① 積極的に摂りたい5つの栄養素
[葉酸]
葉酸は、酸素やさまざまな栄養素を体に行き渡らせる赤血球を作る役割をもつ栄養素です。また、葉酸は出産にともなって失われた血液の量を増やしてくれることから、産後の子宮回復や貧血予防にも役立つとされています。産後の回復を促すためにも積極的に摂りましょう。
葉酸を多く含む食材には、ほうれん草や春菊、納豆、わかめ、レバーなどがあります。また、亜鉛やビタミンC、ビタミンB群などと一緒に摂取すると、葉酸の吸収を高めて効率良く摂ることができるので意識してみると良いでしょう。亜鉛を多く含む食材には牡蠣や油揚げ、ビタミンB群は肉類や魚類に多く含まれています。
[鉄分]
鉄分は、血液を作る働きをもつ栄養素で、産後の造血を早めるのに役立ちます。鉄分を多く含む食材としては、レバーやひじき、卵、カツオ、小松菜などが挙げられます。また、鉄分の吸収率をあげるために、ビタミンCを多く含む食材を一緒に摂取するのもおすすめです。
[カルシウム]
産後には、カルシウムの摂取も欠かせません。妊娠中には赤ちゃんの発育のためにカルシウムを多く消費しましたが、産後には授乳でカルシウムを含む多くの栄養が必要になります。
カルシウムが不足すると、歯や骨がもろくなりやすいです。
積極的にカルシウムを摂取して、産後に起こりやすい虫歯や骨粗しょう症などを予防しましょう。カルシウムは、乳製品全般のほか、煮干しやしらす、野菜では小松菜などにも多く含まれています。
[たんぱく質]
産後の食事では、たんぱく質の摂取も重要です。たんぱく質は、筋肉づくりに欠かせない栄養素のため、産後に低下した筋力を回復させるのに役立ちます。また、産後に抜けやすい髪や肌荒れ対策にもつながるので、意識して摂取してみましょう。
たんぱく質は、卵や肉、魚、大豆、乳製品などに多く含まれています。脂質を多く含むものも多いため、偏りを防ぐためにも、ほかの栄養素やさまざまな食材と組み合わせてバランス良く摂取しましょう。
[ビタミンC]
ビタミンCは、鉄分の吸収を高め、疲労回復を促進する効果が期待できる栄養素です。産後の疲労回復や貧血の予防などに効果的なため、積極的に摂取することをおすすめします。
また、ビタミンCにはストレスに対抗するために必要な「副腎皮質ホルモン」の合成を促進する働きがあるとされており、ストレスケアにも効果的です。
ビタミンCは、柑橘類や緑黄色野菜などに多く含まれており、いちごやグレープフルーツ、ピーマン、キャベツなどが代表的な食材です。





② 産後に避けるべき食べ物と飲み物、そのリスク
産後に積極的に摂取したい栄養素がある一方で、避けた方が良い食材や飲み物もあります。また、授乳をする場合には、赤ちゃんにも影響が出る食材や飲み物もあるため、しっかりと確認しておきましょう。
[脂質や糖分が多く含まれた食べ物]
産後の授乳期間中に摂取するのを避けた方が良い食べ物は、油分や糖分を多く含むものです。母体の血液がドロドロになりやすく、乳腺炎などを引き起こすリスクもあります。
脂質や糖分を摂り過ぎないようにするには、食材だけでなく調理方法や調味料などにも配慮することが大切です。
[カフェインが含まれる飲み物やアルコール]
産後の授乳期間中には、カフェインが含まれる飲み物や、アルコールの摂取も避けた方が良いでしょう。とくにアルコールを摂取した場合、母乳内に母体の血中アルコール濃度と同じ濃さでアルコールが含まれてしまいます。
アルコールを含む母乳を摂取した赤ちゃんは、脳や体の発育に遅れが生じ、最悪の場合には急性アルコール中毒を引き起こして命の危険にさらされるおそれがあるため、注意しましょう。
また、カフェインを多く含む緑茶や紅茶、コーヒーなどの場合、摂取量の約1%が母乳に出るといわれています。カフェインには交感神経を刺激する効果があり、赤ちゃんの寝つきが悪くなる原因になります。そのため、カフェインを含む飲み物は1日2~3杯以内にとどめ、大量に摂取しないように注意しましょう。ノンカフェイン、カフェインレスのものを選ぶのがおすすめです。
[インスタント食品]
授乳の有無に関わらず産後に避けた方が良い食べ物として、インスタント食品も挙げられます。インスタント食品は、成分表示をみると分かりますが、意外と塩分や脂質が高く、むくみや高血圧にも繋がります。
とはいえ、忙しい育児中ですもんね。「とにかく手軽になにか食べたい」という時は、塩分や脂質が控えめなものを選ぶ、頻度を抑えめにするなど、摂取方法に注意すると良いでしょう。
また、手軽に摂取できるバナナなどのフルーツや、無塩のナッツなどを常備しておくのもおすすめです。
③ 産後の食事で意識したいポイント
産後は赤ちゃんのお世話に追われているうちに、自分のことを後回しにしてしまいがちです。食事は栄養を意識して摂取しましょう。
作り置きや手軽に食べられるものを常備しておくなど、忙しい合間にもしっかりと栄養を摂ることができるような方法を模索してみてはいかがでしょうか。
では、産後の食事ではどのようなことを意識すれば良いのでしょうか。ここからは、産後の食事摂取で意識しておきたいポイントについて紹介します。
[一汁二菜を意識する]
産後の食事は、バランス良く摂取するために「一汁二菜」を意識することが大切です。日本食の御膳の形式として「一汁三菜」の方が聞きなじみがあるかもしれませんが、ただでさえ産後の忙しい中で、おかずをいろいろ用意するのは大変です。とはいえ、品数が少なくなるとどうしても栄養が偏りやすくなるため、たんぱく質がしっかり摂れる主菜と野菜や海藻類を使った副菜を組み合わせた「一汁二菜」の献立作りを意識しましょう。
食事は、洋食よりも油分や糖分が少ない和食がおすすめですが、塩分が多くなりすぎないように注意してください。品数を増やすことが難しいときは、具沢山のお味噌汁を用意したり、お豆腐、納豆、ヨーグルト、果物などを添えるだけでもOKです。
[食欲が出ない場合は少しずつ食べる]
産後の疲労感から、食欲が出ない方もいるでしょう。そのような場合には、一度の食事量を減らして食事回数を増やすなどして、少しずつ食べることをおすすめします。
また、自分が無理なく食べられるものを探して常備しておくのも有効です。消化に良いうどんや雑炊に、細かく刻んだ野菜や卵を入れるだけでも構いません。
完全に食事を抜くと、母乳の分泌量が減り、体調を崩す原因にもなるため、食欲がないときは少しずつ小分けに摂取してみてください。
食事を作る余裕がない場合は、宅配サービスを活用するのも方法のひとつです。食事の宅配だけでなく、食材の宅配や、カット済み食材で調理時間を短縮できるものなどさまざまなサービスがあります。
状況に応じてそれらのサービスなどもうまく活用しながら、無理のない方法で栄養を摂れるように工夫することが大切です。


02. 摂取カロリーを意識した食事(母乳育児)

よく「赤ちゃんに母乳を与えると痩せる」と言われていますが、痩せたいがためにカロリー制限ダイエット(食事)をして、本来必要となるエネルギー量を削るのはおすすめできません。
もちろん、必要以上のカロリーをとらないようにするためのカロリー制限は産後ダイエットにおいても大切ですが、基礎体力や筋力を落とすような制限は、健康を損なう可能性もありますので控えましょう。
授乳中のママは、妊娠前の1日に必要なカロリーエネルギーの量に、350キロカロリーを追加して摂取することが推奨されています。この「1日あたり、+350キロカロリー」は、母乳育児をしつつ、産後直後の体重を妊娠前と同じぐらいに戻すという考え方から出てきている数字です。産後は痩せることやダイエットに目を向けるのではなく、健康的に体重を妊娠前に戻す期間と考えてもらえるとよいでしょう。
03. 食べ物の成分を確認

「体に悪いものは食べない」というと当たり前の話のようにきこえますが、普段何気なく食べているものを改めて見直してみると、意外と多くの不必要な成分が含まれていることがあります。
たとえば、肉のあぶら身やバターなどに多く含まれている「飽和脂肪酸」は、産後ダイエットをする上ではできるだけ避けたい成分です。
また、こういった成分は産後ダイエットを阻害するだけではなく、母乳にも悪い影響を与える可能性がありますので、注意した方が良いでしょう。
04. 育児中,食べながら健康的に体重を妊娠前に戻すために大切なこと

01.カロリーオーバーをしない(食べすぎない)バランスのよい栄養摂取
バランスよく栄養をとるためには、「主食」、「主菜」、「副菜」がそろった食事をとることが大切です。授乳のために補う350キロカロリーを、3食それぞれの量を増やして調整してもいいですし、間食で補ってもいいでしょう。菓子や菓子パン類は消化が早いため、食べてもすぐにお腹が空いてしまい食べ過ぎてしまう恐れがあります。また、脂質が多くカロリーも高いため、食べ過ぎはカロリーオーバーの原因に。できるだけ菓子や菓子パンなどは控えるようにしましょう。母乳の約88%は水分でできているので、1日2L程度の水分補給も意識すると◎。
02.産後の運動について(産後ダイエット)
産褥期(出産後6週~8週間)が過ぎて体調に問題がなければ、徐々に運動を始めましょう。妊娠から出産までの間に衰えた筋力を回復や産前の体形に戻ることが目的です。はじめは軽い運動から始め、少しずつ強度や負荷を上げていきしょう。
お家で一日中赤ちゃんとこもりっきりのママは注意です。外にでて赤ちゃんと散歩を楽しむなど、体を動かすように心がけましょう。無理はせず、ご自身のペースで行うのがポイントです。
運動方法はYouTubeや書籍でも多く紹介されているので、参考にするといいでしょう。
03.睡眠不足は痩せない要因に!パートナーや家族の協力でなるべく睡眠時間を確保しよう
出産直後の母乳育児は、しばらくは欲しがるときに欲しがるだけ飲ませる自律授乳が基本となるため、授乳は頻回になり、ママはまとまった睡眠がとりづらくなります。睡眠不足は、グレリン(食欲増進ホルモン)が増えて食欲増進したり、コルチゾール(ストレスホルモン)が増えて血糖値が上がり、痩せにくくなることがわかっています。高カロリーな食べ物が食べたくなる傾向もあるため、栄養バランスも崩れがちに。パートナーや家族の協力、家事代行サービス、産後ケア施設などの利用も検討して、ママがこまめに休める体制を作るといいでしょう。
まとめ
妊娠中は体重が増えすぎないように頑張ったから、産後は好きなものを食べるぞ……、と思っているママも多いでしょう。でも、「甘いもの」「カロリーの高いもの」などは、頑張っている自分へのご褒美に、時々おいしくいただく程度にするのがよいでしょう。妊娠前の時以上に食事は栄養を意識して摂るようにしましょう。「目指せ妊娠前の体重!!」です。ママの食生活は、赤ちゃんの食生活にもつながっていくので、その点を意識しながら美味しく家族で食事を楽しんでくださいね。